子なしへの無神経な質問への対処法

日々(エッセイ)

子なしだと必ず、ぶち当たる問題がこちら。

「子どもについて無神経なことを言われる」

これ、本当に嫌ですよね。
私は不妊治療をしていることも言いたくなかったですし、
「聞いてどうするの?」「こっちは答えるメリット、ひとつもないんだけど」って、ずっと思っていました。

私はDINKsでもなければ、選択子なしでもありません。

これは、私が選んだ人生ではないから。
(諦めるということを最後は選択しているのだけれど、それは消去法でそうせざるを得なかっただけ。それは「選択」子なしといって良いものなのか。そもそも分類付けられるのもなんだかなァ…)

かといって、「チャイルドフリー」なる新しい言葉も広義すぎて、なんだかしっくりきません。

多様性の時代と言いながらも、専業主婦や赤いランドセルを否定している方も多く見かけます。
そのため、また間違った形で言葉が独り歩きしないかしら、という心配もあります。


対処法といっても正解があるわけではなく難しいもの。
そこで今回は、私の経験談と、そのときの対応や結果についてお話ししたいと思います。

※飽くまで私の経験談であり、推奨するものでは有りません。自己責任でお願いします。

相手の立場で考えてみる

私は今でこそファイティングスタイルの女ですが、元来、気にしすぎるタイプです。
それこそ、脱毛症や胃炎がお友達だった時代もありました。

ましてや自分は他人にそこまで興味がなく、既婚者の子どもの有無を気にしたこともなければ、親が不仲だったため結婚願望も希薄。

そのため、なんでそんなこと聞くのだろうか、と当時は本気で理解できず悩んでいました。

そこで、距離の近い身内と、何も聞かずに変わらぬ関係を続けてくれる優しい人々を除外し、
(ほんっと〜〜〜〜〜に感謝しかない。)
それ以外の方々を大まかに分類すると、以下のような気持ちが質問の根源にあるのではないかと仮定しました。

独身・置いていかれる焦り
・子どもが出来たら遊んでもらえなくなるのではという不安
既婚者
(同年代)
※同じ立場になってほしい
・苦しんでほしい(同調圧力)
・共感してほしい
・絶賛子育て中で話題がそれしかない
既婚者
(年上)
・上から目線でアドバイスしたい
・話題がそれしかない
番外編・マウント
・何も考えてない(結婚=子どもの思い込み)
・気になっただけ

※答えは相手の中にあるものなので、さらっと読むにとどめてくださいね。

想像力の欠如

根本的には「想像力の欠如」が原因だということが私の結論です。

この質問をした先に、何があるか。相手はどう思うのか?
そういったところへの想像力がないため、悪気なく聞いてしまうのでしょうね。

ただ、相手の立場によっては、質問されても快く流せる場合もありそうです。

0歳児を育てている方に、子どもの話をするなというのは無理な話でしょうから。

あと、私の場合は施設にいる認知症の祖母や、その周囲が何度も同じ質問をしてくるので、その日の気分で様々な回答をしていました。
そもそも祖母の場合は90を過ぎている高齢者なので、もう挨拶のようなものでしょう。
価値観のアップデートも難しい環境にいますし、それを期待することそのものが酷で、私のほうが受け止めるべきものと思っています。

逆に単なるマウントだとはっきり分かった場合は、躊躇なく人間関係の断捨離リストにわけられますね。



理解しあえないということを理解しておく

これは実際あったはなしで、

「全く子どもの話に触れないのもおかしいし、どこまで子どもの話をして良いか分からなかった

と、子持ちの方に打ち明けられたことがあります。

「腫れ物に触るように扱ったら、それこそ失礼なのではないか」など、彼女は色々と気を使ってくれていたみたいです。
その気持がとても嬉しいし、ありがたいことですね。

それと同時に、本当に分からないんだなと驚きました。

私は犬を飼っていますが、犬を飼っていないひとに犬の話をしつこくしたり、写真を突然見せて感想を求めたり、犬育ての相談や愚痴は言いません。
ましてや、可愛いから飼いなよ!!なんて無責任なことも当然言いません。
ただ、例えば「犬が体調を崩してるからこの頃忙しくて」「今日は午後から犬のトリミングだから早めに帰るね」この程度の話はします。
そして、相手が興味なさそうなら、その話題は切り上げます。

ただそれだけの話じゃないのでしょうか?

もはや、子持ち・子なし以前の問題な気すらしてきます
※犬はあくまで例え話なので、子どもと犬を同列に語るわけではありません。

子どものこととなると、なぜ聖域化してしまうのでしょうか。
これに関しては、私も一生理解できない気がしています。



許容ライン

話を戻しまして、この許容出来るラインは、人それぞれ違うのではないでしょうか。

私は、その方の息子さんに関するちょっとした話であれば、普通に楽しく聞くことができます。
こちらから最近の小学生は〜などと話題を振ることも多くあります。

その一方で、妊娠や子どもの話自体を一切受け付けない方もいるのではないかと思います。

私の場合は、いちいち不妊治療のことを思い出したくないので自分の話はしたくありませんし、あれこれ子どもについて口出されることに拒絶反応があります。
あとは子育て相談・愚痴がNGですね。
散々愚痴られたあと、耐えかねて意見を少し述べたら「子どものいないお前にはわからない」と次兄に言われたことがあるので。

ちなみにこのときは「分かりたくもない。それなら、わざわざ子どもいない人間を捕まえて愚痴のゴミ箱にしないでほしい」と言い返しましたが、全く理解されなかったため、今は疎遠になっています。

皆さんはどうでしょうか。
自分なりに、「これは良いけれど、あれは嫌だなぁ」と思うことの線引きをしておくと、必要以上に嫌な思いをしないで済むかもしれません。

このように、同じ子なしの中でも捉え方は様々です。

そのため、子持ちの方やその他の方からの悪気のない質問や子どもの話に対しては、ただ笑って曖昧に流したり過剰反応したりするのではなく、私たちの方から歩み寄ったり意思表示をすることも必要なのではないかと思います。

「相手がどんな気持ちで、それを言ったのか?」

私はここをよく見極めるよう、心がけています。


相手との関係性で返答を変える

とはいえ、実際に子どものことでなにか言われると嫌な気持ちになってしまうことは多いですよね。

本当に悪気がないひとのことを悪く思うのも心が辛いし、自分で自分のことも嫌になる…。

先手必勝?

そのため、基本的に私は先手を打っています。

これは初対面や久しぶりに会う相手にしか通用しませんが、「この人のことを嫌いになりたくないな、仲良くしたいな」と思ったときに、先にこちらの気持ちを表明しておくことで、相手に余計な質問をさせずに済みますし、そうでなければ変に気を遣わせることもなく、こちらも必要以上に嫌な思いをしなくて済むのではないかという期待もあります。

例えば、相手から子どもの話が出そうだなと感じたときや、軽くでも質問されたときは、

「ちょっと暗い話になっちゃうんだけど。
子どもには縁がなくて…。
夫婦でたくさん話し合って、もう諦めようって。
だから、今は夫と(犬と)のんびり暮らしてるんですよね」

・ちょっと暗い話に〜(前置きすることで相手が警戒し、話に集中します)
・子どもには縁がなくて(欲しかったんだけどダメだったの意)
・夫婦でたくさん話し合って〜(夫婦は仲良しの主張・余計な励ましの拒否)

そうすると相手は気まずい顔をしたり、言葉に詰まることが多いです。
そこで間髪入れずに、

「気を使わせてしまって、すみません。
無神経な外野から、いろいろ言われて泣いてた時期もあるけど
今は毎日泣いてるみたいなこともないし、元気なので!」

・気を使わせて〜(これは事実なので…)
・無神経な外野〜(あなたは違うよね?余計なこと言わないでね?という圧力)
・今は毎日泣いて〜(もう落ち着いてるからねの意)


このあとは、またすぐに話題を切り替えます。
「この話はこれで終わりにしましょう」というふうに。
相手も気まずいはずなので、大体は合わせてくれますよ。

このように、想像力が欠けている部分をこちらが補っても、なおしつこく何かを言ってくる相手であれば悪気があるとみなし、私なら今後の付き合いを検討します。

他人を変えることは出来ないので。

切れない関係性の場合

私なら、答えません。席をたちます。

「ちょっとトイレ…」でも構わないのです。
その話題に答える気はないということを態度で示します。
それは不自然でよいのです。

「あなたとの関係性を悪くしたくない、これ以上踏み込まないでほしい」という意思表示でもあると同時に、相手は私たちがその無神経な質問で不快になっていることが分からないのですから、こちらから「この話題はNG」と伝える意図があります。

言葉で上手く伝えられないひとなら、一旦、気持ちを落ち着ける時間も出来ますね。

ただし、戻ってきた時には明るく、別の話題を提供することは必ず心がけています。
相手に自覚があれば、微妙な空気が流れている可能性が高いのですが、そこは痛み分けと割り切ります。

それでも食い下がられた場合は、バトルしようぜ! 困りものです。
大勢の場合なら事前に「答える気はない」という意思表示をしているため、周囲が相手を諌めてくれるかもしれませんね。

切れても良いと思う関係性の場合

無視して帰りましょう。時間の無駄です。

…と言いたいところですが、その場は適当に用事が〜と濁すのが妥当でしょうか。

私は直近では犬の散歩中に道端で、近所のひとに何の脈絡もなく、「子どもはいるの?」と聞かれ、「いや〜ご縁がなかったですね〜」と流したあとに、そのひとの姪の妊娠話を延々と聞かされました。

この場合は私の回答はどうでも良くて、その話がしたいがためだけに聞いてきたパターン。
つまり、私の気持ちは無視していると同義。

そこからはこちらも完全に塩対応で、とっとと切り上げて立ち去りました。

しかし、その方はお仕事もしてますし、ご主人や息子さんも同居されているのに、ほぼ初対面の私に長々自慢したくなるくらい嬉しかったのでしょうね。

良かったですね〜と思うと同時に、「これ多分、ほかの誰にも話を聞いてもらえないんだろうな…」となんだか物悲しい気持ちになったのを覚えています。

そんな私も、そのひとにはそれ以来、近寄りすらしません。

人として挨拶くらいは返しますけれどね。

長くなってしまったので、
続きは「身内編」

タイトルとURLをコピーしました